コーチングや予測もできる卓球AIロボット「フォルフェウス」
フォルフェウスは、オムロンが作った卓球AIロボットです✨
毎年、技術開発を重ねて、進化し続けています。
今現在のフォルフェウスは、第5世代です。
フォルフェウスが生まれた経緯
2013年、中国でオムロン創業80周年のプライベート展示会を開催したのがきっかけで、人と機械が互いにやりとりできる「卓球」を展示会のテーマに選んだそうです。
フォルフェウスの特徴
人とラケットの位置を考慮し、球の三次元位置計測と軌道予測を行い、ロボットを1/1000秒単位で同期させて制御し、6軸のロボットアームをコントロールしています。
そうすることで、山なりで打つ人には山なりのゆっくりした球を、少し早い球で打つ人には少し早い球を返すことができます。
相手が大人でも子どもでも、その人の打ち方に合わせて、その人が打ちやすい場所に返球してくれます。
毎秒80回、画像センサーでボールを見ながら、ボールの回転がない軌道を予測し、実際の軌道のパターンを比べています。
その違いから逆算して、こういう回転がかかっているだろうと推測します。
また、時系列ディープラーニングなどのAI技術や、オムロンが開発したAIを搭載したドライバーモニタリング技術を応用しています。
それにより、ボールのスピードだけでなく、人の表情と骨格情報の動きを見て、フォルフェウス自身が返球のレベルを変えられるようにしています。
現在は4段階のレベルがあり、Beginnerからスタートし、だんだんラリーの負荷を上げていきます。
上手な人の動作データベースと比較することで、ユーザーの肘がブレていれば「肘をしっかり固定して打ちましょう」などとアドバイスをしてくれるコーチング機能も備えています。
フォルフェウスの課題
フォルフェウスは、上手い人のようなしなやかな動きが、まだできません。
また、人のスイング速度の方がフォルフェウスよりも圧倒的に速いのです。
そこをどうやって埋めるかが課題らしいです。
僕が、ふと思ったこと
毎年フォルフェウスをかなり改良していて、オムロンは本当にすごいです😊
しかも、フォルフェウスの世代ごとに、開発リーダーを変えているところには、特に感動しました!
結局、次の世代のフォルフェウスの課題を解決するには、それに合った能力を持つ研究者が必要で、今までの課題に適した研究者では、新しい課題を解決できる可能性は低いですからね。
オムロンが競争の激しい世界で生き残っている理由は、ここにあるのかもしれないですね。
また、フォルフェウスのレベル別コーチング機能は、卓球だけでなく、他の熟練者の技能などにも応用できるそうです。
工場の熟練者の技術から学んで身に着けた高度な技能を、新しく入ってきた新人に教えて、早く熟練者の技術に近づけることができるそうです。
すでにある熟練者の技術で、すべてをAIロボットにやらせてしまえばいいと思う人がいるかもしれませんが、実は、それではダメなのです。
すべてをAIロボットにやらせると、熟練者による、さらなる技術の改善ができなくなってしまうので、必ず熟練者を育てていかないといけないのです。
今回の記事は以上になります。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございますm(_ _)m