世界で最も利用されている中国の信用スコア「芝麻信用」
芝麻信用(ジーマしんよう)は、中国アリババグループの関連企業アント・フィナンシャルサービスグループが開発した個人信用評価システムです。
簡単に言うと、芝麻信用とは、中国の個人の信用度をスコア化したものです。
ちなみに、芝麻(ジーマ)とはゴマのことで、「アリババと40人の盗賊」に出てくる呪文「開けゴマ」の「ゴマ」に由来するそうです(笑)
芝麻信用のスコアごとのランク
芝麻信用は、最低は350点、最高は950点です。
スコアごとのランクは5つあります。
信用極好:950~700(最も優秀)
信用優秀:699~650
信用良好:649~600
信用中等:599~550
信用較差:549~350
芝麻信用のスコアに影響を与える5つの観点
主に5つの観点で個人の信用度が評価されます。
1.身分特質:社会的ステイタスや高級品の消費
2.履約能力:支払い履行能力
3.信用歴史:クレジット履歴
4.人脈関係:交友関係の社会信用スコア
5.行為偏好:消費行動の偏り
4の「人脈関係」については、資金のやり取りに基づく関係のみが信用度に影響を与えます。
SNSでつながっているという情報は、信用スコアにおいて影響はありません。
車や不動産の所有を証明するもの、例えば、運転免許証、自動車交通許可証、不動産取引の許可証などを芝麻信用に提供すると、スコアが上がります。
銀行からローンを受けるときと全く同じで、担保になるものを持っていたら、スコアが上がります。
職業は関係なくて、フリーターでも高級車や不動産を持っていると、スコアが高くなります。
芝麻信用が提携しているサービスにおいて、料金の未払いがあると、芝麻信用にフィードバックされ、信用スコアが下がります。
監視カメラがあらゆるところにあって、自転車も含めて交通ルールをほんの少しでも破ると、信用スコアが下がります。
世界最大のフィンテック企業アント・フィナンシャルの借入サービス「借唄」と「花唄」
アント・フィナンシャルの消費者金融貸出規模は、中国の国有四大銀行やすべての銀行を上回っています。
アント・フィナンシャルの提供する借入サービスに、借唄(ジエベイ)と花唄(ファーベイ)というものがあります。
借唄(ジエベイ)は、個人向け無担保ローンのことです。
芝麻信用のスコアが高ければ高いほど、借唄(ジエベイ)を優遇された金利で利用することができます。
花唄(ファーベイ)は、仮想的なクレジットカードのようなもので、毎月の利用明細発行日を1日、支払い日を9日に設定しています。
また、花唄(ファーベイ)では、金利を負担すれば、3 / 6 / 9 / 12回という分割払いを選択することもできます。
芝麻信用のスコアが高い人のメリット
・合コンでモテる(らしい?)
・借唄(ジエベイ)を優遇された金利で利用できる
・借唄(ジエベイ)の限度額が上がる
・花唄(ファーベイ)でのキャッシングの利率が下がる
・花唄(ファーベイ)でのキャッシングの限度額が上がる
・無人の飲食店サービスを使える
・中国の無人コンビニ機 Take Go を使える
・ある不動産会社では、優良顧客として、賃貸時の敷金を免除してもらえる
・ある不動産会社では、優良顧客として、賃貸物件の保証金を無料または少額にしてもらえる
・ある不動産会社では、優良顧客として、賃貸物件の家賃を割り引いてもらえる
・電気自動車レンタルの保証金が免除される
・シェアサイクルの保証金が免除される
・シェアカーの保証金が免除される
・上海の復旦大学附属華山医院や一部の病院では、芝麻信用のスコアが650以上の来院者に1,000元(約1万5,000円)の与信枠を与えて、診察料のデポジットを不要にし、診察までの待ち時間を減らしてもらえる。
中国での病院の診察費は、基本的に前払いで、常に混雑しているため、待ち時間を減らしてもらえると、とてもありがたいそうです。
芝麻信用を使う企業のメリット
・料金の未払い率や未返還率などが減少し、収益性が向上する
・融資額が増え、収益性が向上する
・保証金を受け取る手続きが省ける
・企業独自の審査が不要になる
・無人店舗などでも、利益を上げられる
以上です。
日本で、アント・フィナンシャルを目指しているのが、J.Score(ジェイスコア)という会社です。
みずほ銀行とSoftbank(ソフトバンク)がつくった消費者金融会社です。
両社の顧客データとAIスコアを使って、効率的な融資を目指しているそうです。
業績に期待したいですね。
今回の記事は以上になります。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございますm(_ _)m